2017年5月9日火曜日

「動員の少ないバンドはライブするのを止めてもらえないだろうか」について同意しつつ自分の考えを述べる

15ヶ月ぶりに書く記事が他人の尻馬に乗る話題なのもなんだかなって感じですが!


海保けんたろー(SONALIOドラムス、ワールドスケープ代表取締役)氏のこちらのツイート、ブログ記事が一部で話題になってます。



これについては海保さんは何年も前から主張されてた案だと記憶してますし、今さら新しいものでもないとは思うのですが。
いかにも炎上しそうなタイトルのせい(おかげ?)であ ん の じ ょ う、「炎上商法乙」だとか「意識高い系乙」だとか「うるせーてめえがバンドやめちまえ」だとかひどい罵声が飛び交ってるようです。


でも僕はこの記事に完全同意です。
僕自身リアルタイムでライブハウスシーンの端っこにいる売れないバンドマンとして。


ここからは僕の解釈。


昔々、ライブハウスに出たいバンドの数>ライブハウスの出演枠の数だった時代は「オーディションライブ」というものがありました。
土日の昼にそのライブハウスに出演したいバンドを集めてお試しライブ的なものをさせます。
で、ハコのお眼鏡にかなったバンドだけが定期的な出演を許されるというシステムです。

このシステムにより出演するバンドのクオリティが担保されます。
またハコごとの好む方向性によってジャンル、カラーの差別化が図られ、ライブハウス自体が一種のキュレーターとして機能し、出演バンド同士のファンの共有もしやすく、バンドにとっても「○○に出演している」というのがステータスになった時代です。

(と言ってますが、僕自身リアルタイムでその時代を見てたわけではないので伝聞です)

今はライブハウス乱立により、バンド<出演枠になったことで、ライブハウス側が枠を埋めるのに必死な状況です。
そのためオーディションライブは無くなり、クオリティ関係なくただ出演してくれればいいやという具合にバンドを集め、ジャンルも考慮しない対バンが組まれることでファンの共有もしづらい状況です。
キュレーターの役割はもはや無く、ただの貸しスペースとしての機能しかありません。

もちろん全部のハコが全部そうとは言いませんけどね。

なぜにそうしてライブハウスが乱立して、さらに食っていけてるのかというと「チケットノルマ制」というものがあるからです。
超々々々乱暴な言い方をすると「バンドが金払ってくれるから出演者さえいれば客なんぞ居なくてもライブハウスは潰れないシステム」です。
チケットノルマ制どうなのよ問題はそこら中でされてると思うので適当にググってください。

ノルマ制が存在するためにライブハウスにとっての営業努力は「出演者を集めること」となり、お客さんへのサービスや音楽的なクオリティの向上は二の次となります。
その結果として、客・バンド双方に不幸な状況が生まれていると言えます。


そんなダメなライブハウスを潰すにはどうしたらいいの?という問への海保さんの解答が「じゃあ出なきゃいいじゃん、ノルマ払わなきゃいいじゃん」なのだと解釈してます。


元記事でも考察されているように、ライブハウスが今より厳しい生存競争に晒されれば生き残るのは必然的に(それは音楽的なのかサービス的なのかはたまた別のアイデアか)何かしらの優れた点を持つ、客として行って楽しい・バンドとして出演する価値のある優良店だけということになります。


意識高い系の逆張りだとか、頭でっかちの机上の空論だとかいう声もあるようですが、目指しているのはある意味「古き良きライブハウス文化を取り戻そう!」という方向だと思うし、むしろ古典的・保守的な考え方ですらあるように思います。
また、ライブハウスの諸問題を解決するための、「バンドマンが個人単位で、今すぐ、実行可能な策」という点ではかなり現実的な提案だと僕は思います。


元記事を読んで「売れないバンドマンはバンドやめろってのか!」って憤ってる方が見受けられるのですが、趣旨は決してそのようなことではないと思います。

集客力=バンドの良し悪しではないし、ライブやめろ=バンドやめろという主張でもありません。
いわゆる「下積み」やその時期を否定するものでもありません。

客のついてない状態で無理なライブをしてただ資金を減らすのはデメリットしかないよ、採算のとれないライブをすることで、自分(バンド)自身の体力を無駄に消耗させて、その結果シーンにとってもプラスにならないことはやめようね!という話ではないでしょうか。


少し具体的な話。

例えば1回のライブでノルマ達成できず20,000円赤字が出るとして、月1でライブしてたら年間24万円の赤字が出ます。
安直な案ですが、この24万円で例えば機材買ってストリートライブやるとか、動画や配信といったネット戦略に充てるとかして別の場所で露出をして、確実にノルマクリアできる程度にお客さんがついてからライブハウスに出演するっていうのはどうでしょう。

下積み=ライブハウスにノルマを払うことじゃないし、音楽的経験を積むのはライブハウスである必要もないと僕は思います。

僕自身の活動の場としてニコニコ動画の界隈なんかを見てますと、まったくライブなんかやったことないよっていう歌い手さん・演奏者さんがバンド始めていきなり初ライブで何十人何百人というお客さんを呼んでる姿もよく見ます。
大きな会場をファンで埋めるのが目標なら、それも下積みと呼んでいいのではないでしょうか。

そもそも、ライブとはハレの場であり、普段積み重ねた試行錯誤の成果を披露してお客さんを楽しませる場であって、宣伝や演奏の練習といったケの努力をライブハウスでやるということ自体が本末転倒のような気さえします。

色んな音楽のスタイルがありますし
「俺の音楽はライブハウスじゃないと輝かないんだ!路上やネットじゃ伝わらないんだ!」
というアーティストもいるかもしれません。
だとしても「ライブハウスで観ると物凄い」ということを広くアピールするために、やはりライブハウス以外の場所を利用できないと、ファンを増やすのは難しいのではないかと思います。


おっと話が脱線&迷走気味……。


音楽で大成しようと思ったときに、ただがむしゃらにライブ!ライブ!というだけでなく、少し知恵を絞って、なるべく楽で早くて安上がりな手段で多くの人に自分の音楽を届ける方法を考えるのは大事なことなんじゃないかと思います。
人生の残り時間もお金も有限ですし、少しのアイデアで時間やお金が浮けば、その浮いた分、音楽により時間・お金を投資できますから。


ここまで書いておいて何なんですが、ここまでの話すべてに実は大きな問題点を孕んでいて、それは、

そもそも音楽が良くなかったら何してもファンつかないけどな!!

というところですね!

まずはいい音楽つくります…。はい……。


最後に……


ボカロ新アルバム作りました!買ってね!

2016年2月15日月曜日

「Hello, Worker」100万再生ありとうございますから流れるような自分語り

おかげさまで、ニコニコ動画に投稿した楽曲「Hello, Worker」が拙作の中で初めての100万再生を突破いたしました。



たまたま人類が五本指の手と二本の腕を持つように進化したために、たまたま地球文明に根付いた10進法において、位が一桁あがる程度のことで、999,999と1,000,000の間に何の大きな違いもありはしないのですが、それでも100万再生という数字には素直に喜びを隠せません。

この曲を投稿したのは2011年9月で、それから4年半、どこかで誰かが毎日少しずつ聴いてくれたおかげでじわじわと100万という数字に到達しました。今あらためて聴くと技術的に稚拙な部分も沢山あって、非常に恥ずかしかったりもするのですが……。

すでに無数の名作が存在し、また毎日アップデートされていく数多の音楽たちの中で、僕の曲を選んで長く愛していただいたことに、改めて心から感謝いたします。

◆◆◆

この楽曲「Hello, Worker」に関しては、共感した、励まされたという感想を沢山いただきました(そういう感想に僕も励まされています)。

僕はいわゆる就職活動というものをしたことがありません。なので、就活にまつわる曲書くのなんて詐欺じゃねえか!というような気もします。

幾つかのインタビューなどでも答えたことはあるんですが、この曲を書いた時分というのは、実際に自分自身会社の倒産によって失業中で、失業保険の手続き等々で池袋のハローワークに通っていました。ハローワークにはまあいろんな人がいて、小さな子どもを連れてやってくる若い夫婦や、窓口の係員さんを怒鳴りつけているおじさんなど、なんというか、あの人はどんな人生を送って今ここにいるんだろう、と考えさせられたものです。

この曲が生まれるに至った話をしようと思ったのですが、自分の人生について語らないとならないなと思って、ちょっとしたためてみようと思います。

途方も無くクソキモい自分語りなので、キモいなと思ったらどうぞスルーしていただければ幸いです。

◆◆◆

僕は富山の片田舎の生まれで、田舎暮らしがとても嫌いでした。

今ほどネット環境も整っていない時代で、何をするにも不便だったし、音楽をやりたいという気持ちがあっても楽器をやってる人も周りにおらずバンドなんかも満足にできない土地でした。

なので、大学は必ず東京の学校に行くと決めていました。進路相談のときには「何をしたいか」を訊かれたものですが、「バンドやりたいんで東京の学校行きたい」と答えるわけにもいかず、適当なことを言って誤魔化していたように思います。

今思えば、音楽やる=バンドやる=上京という発想も短絡的なんですが、当時はその程度の考えしかない程度に思い込んでたんですね……。

でも、それがモチベーションになって受験勉強を頑張れたように思います。校内でも1、2位の成績を修めるようになり、記念受験のつもりで受けた大学にたまたま合格し、大学進学と同時に上京しました。

田舎の高校生でもみんな名前知ってるような有名大学です。進学できて、当時は有頂天になっていました。入学当初は「自分は人生の勝ち組だ」ぐらいには思っていたし、このまま勝ち組の人生を送るんだろうと思っていました。

でも、中々そうはいかないのが人生でした。

片田舎の一高校では一番勉強ができたとしても、全国からそういう人間が集まるわけですから、学力的には当然落ちこぼれます。大学のサークルに入ってバンドをやったりもしていましたが、鳴かず飛ばず、周りからの評価もついてきません。

そもそも学業へのやる気も持たず、やりたいことであったはずのバンドも思うように行かず、有頂天から一転、どんどん鬱屈とした毎日を過ごすようになりました。

そうして、大学3年の前期のころは、ほとんど学校に行かなくなりました。それまでの人生の中でも最も大きな挫折です。素人判断で言えばスチューデント・アパシーというやつだったのかなと思います。

当時は本当に鬱々として、どんな励ましの言葉も耳に入りませんでした。自傷行為などには至りませんでしたが、それでも生きるのがつらいという気持ちで毎日を過ごしていました。その時に身につけた自分なりの防衛機制なんでしょうか、どうせ死ぬなら死ぬまで生きよう、やりたいように生きて死のう、と思うようになりました。人生嫌になったら死のう、と心に決めたことで、少しだけ心が軽くなったような気がします。

まあ、そんなわけで単位もろくすっぽ取れてない学生ですから、一年留年して大学を卒業するわけです。就職を真面目に考えるべきタイミングで心を一番やっちゃってたので、就活などというものとも向き合わず、なんとなく大学を卒業し、なんとなく当時のバイト先でそのまま働き続け、モラトリアム延長戦に突入したわけです。

そして冒頭に戻ります。
会社が潰れて失業者になった僕はハローワークに通います。

そこで履歴書の経歴を埋めながら、志望動機、資格、そんな項目を埋めながら、今までの人生の中で自分がやりたかったことってなんだっけな、今の自分にできることってなんだろうな、昔想像してた将来とは随分違ってしまったな、何が正解だったんだろうな、どこで間違えたんだろうな……等々、自分の人生について嫌になるほど考えさせられました。

僕にとっての「何がしたいか」は音楽ではありますが、じゃあ音楽を作っているだけで幸福か?といわれると、そんなに実直なわけでもありません。売れたい、人気者になりたい、もっと沢山の人に聴いてほしいという卑近な欲求は常につきまといますし、それが叶わなければ悔しさも生まれます。こんな悔しい思いをして続けるのが僕のやりたいことなのか?と思ってしまう瞬間もあります。

では「何ができるか」を考えたとき、僕は何か手に職を持つわけでも、商才があるわけでもなく、特別な技能や資格は何も持ち合わせていません。そんな自分でも、僕の作った音楽を聴いてくれた人が好意的な感想を述べてくれると、もしかしたら音楽の才能があるのかもしれないなんて思い上がったりもします。それでも周りを見れば、僕よりも遥かに豊かな才能で、自分には困難でとても乗り越えられない壁を軽々と飛び越えていってしまう才人たちがいます。そんな人たちを見るたび嫉妬と惨めさで気が狂う思いです。

それでも、音楽で何かを表現したい、自分自身を表現したいという気持ちがなくなるわけではありません。特別な才能を持たなかった僕だけにしかできないことが何かあるんじゃないか、凡人にしか見えない景色だってあるんじゃないか、その景色をなるだけ仔細に描くことこそ僕ができる表現なんじゃないか、といつからか思うようになりました。

誰からも必要とされず、誰からも特別とされず、B4の紙切れに収まる程度の惨めな僕の人生でも、もし同じように自らの人生に惨めな気持ちを感じている人がいたなら、それを共有することで何かお互いの人生に価値が生まれるんじゃないか。僕の人生があなたの人生に、あなたの人生が僕の人生に価値を産んでくれるんじゃないか。

そういう気持ちで書いた歌が「Hello, Worker」です。

結果、どれだけの価値を産むことができたのかはわかりません。数字なんて結局数字で、人の心は数字で測れるものではありません。

ですが、100万再生という数字の中に、誰かにとっての何かの価値が存在していてくれたらな、という気持ちでいます。

◆◆◆

今までの人生で何が成功で何が失敗なのかは今でもわかりませんが、ボカロに出会えたのは、間違いなく幸運であったと思います。VOCALOIDの歌声を通して、自分の音楽が想像以上に多くの人の元へ届いたことが、今の僕を支えてくれる生きがいです。

これからも、誰かに支えてもらいながら、いつか誰かを支えることができるように、自分なりに音楽を続けながら死ぬまで生きようと思うので、どうぞお付き合いいただければと思います。

ではでは、今後ともよろしくです!

そして僕のCD買ってね!!

2016年1月28日木曜日

僕が @Copy__writing に腹を立てている理由


@Copy__writing というTwitterアカウントがあります。
このアカウントに関する問題点に関しては、散々と方々で指摘されているのでそこは適当にググッていただければ。
で、そのCopy__writingが、このようなインタビューを受けて軽く炎上しにわかに話題になりました。

@Copy_writing中の人インタビュー!「インターネットは、すべての話を良い方向に持って行こうとする傾向があるけど、暗いことは暗いことでいいじゃない、と言いたい」
http://megalodon.jp/2016-0127-2057-08/seishun.style/1433

僕はこのアカウントが大嫌いで、Twitterで何度か突っかかってるところを目にした方もいるかと思います。
その経緯について、知らない方、誤解されている方が多いような気がしたので、少しだけ説明させてください。



このCopy__writingには、僕のツイートが無断転載されています。


ただし、元の文から改変がされております。
僕が最初に書いたツイートは

"信頼とは「この人なら絶対に裏切らない」じゃなく「この人になら裏切られてもいい」と思えることだ、というのを理解した気がする"

という一文でした。(元ツイートはすでに削除してます)

僕自身は、ツイートの埋め込みや引用元を明らかにした無断転載は勝手にすれば?無断リンクは自由じゃん?という考え方です。
なので、無断転載そのものには怒りは感じていません。

ただ、そこに改変が加わり、引用元が不明確であると話は別です。

僕がツイートをした内容は、僕が出会った人や物事を通して得た経験談としてつぶやいたもので、「私は経験によって信頼という概念に関しての新しい知見を得ました」という個人的な内心の報告です。
物事の考え方は人それぞれですから「~と思えることだ。」などと言い切った表現で、特定の価値観を偉そうに人生訓ぶって喧伝したり押し付けたりするつもりなど毛頭ありません。

"信頼とは「この人なら絶対に裏切らない」じゃなく「この人になら裏切られてもいい」と思えることだ"



"信頼とは「この人なら絶対に裏切らない」じゃなく「この人になら裏切られてもいい」と思えることだ、というのを理解した気がする"

で、内容が同じだと思っているのだとしたら、それこそ言葉とその意味を操る匠であるコピーライターを名乗る資格は無いでしょう。

自分自身が書いた文が言葉足らずで意味が伝わらなかったり、誤解されてしまうことは自分の責任です。
自分の責任であれば自分の手落ちを恥じればよいのですが、このように他人が勝手に改ざんした文に自分の名前が添えられて、歪んだニュアンスで誤解が広まってしまうことを、僕は大変屈辱的に感じています。

引用元URLが明確に記載されていれば誤解を解く機会も生まれはしますが、この場合、「by ハヤシケイ」と名前が書かれているだけで、元々の発言内容やその意図を遡ることができない状況です。
これは、ただただ僕のハヤシケイという名前が、申し開きの手段もないまま貶められているのと同じです。

そのため、件の改ざんツイートがCopy__writingでツイートされるたび、リプライやメールフォームから当該ツイートの削除、及び今後ツイートをしないよう設定いただくことを要求してきました。
しかしながらその要求を呑んでいただいたことは、ほぼありません。
(一度だけ削除していただいたことがありますが、一度だけで、その後も当該内容のツイートは続いています)



以上が、僕がCopy__writingに腹を立てている経緯です。

先にも申し上げたとおり、僕は引用元が明らかな無断転載は別にどうでもいいと思ってます。

「引用元を明らかにしない」「改ざんされた」文に僕の「名前が記載される」ことで負った覚えのない文責を背負わされるのが不愉快なんです。

「こいつは無断転載に怒っているんだ」という誤解があるようですので、その点は訂正させてください。
僕は無断転載絶対殺すマンだとかインターネット著作権警察を気取るつもりはありません。
悪名高い2ちゃんねるまとめアフィサイトなんかもぶっちゃけよく閲覧しますし、コミケ等同人界隈とも関わり深いところにいますから、著作権のことをあまり声高に叫ぶとブーメランが刺さります。

社会正義とかは関係なくて、「俺はこいつに嫌な思いをさせられた。だから俺はこいつが嫌い!」というレベルのムカつきをしています。
殴られたから殴り返す一被害者の怒りであり、被害者全体を代表して戦おうだとか、正義の味方をやろうだとか、そんなつもりはないんだということだけは、どうかご理解いただきたくこのブログをしたためました。

だから、Copy__writingにあんなに突っかかってたやつがNAVER貼ったりまとめサイト見たりダブスタじゃねえか!という謗りはすいません許してください!なんでもしま


最後に……

僕のCD買ってね!

2015年12月2日水曜日

11月はボーマス&新譜とか、お昼ライブとか。

2015/11/14(日)開催のボーマス33参加してきました。
新しいVOCALOIDアルバム「TOY」、お手にとっていただいた皆様ありがとうございました。

通販も開始してますので、イベント等来られない方はどうぞAmazonからご注文くださいませ。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/B017GUMFPY


◆◆◆

自分の曲に関して説明をするのは物凄く下品だし格好悪いことなんですが、ほんの少しだけ。

アルバム「TOY」13曲目収録の「隣」という歌を、ボカロで音源化したのは今回が初なのですが、曲自体はかなり前から書けていました。

具体的に言うと、東日本大震災の少し後ぐらい。

震災の直後、世間のミュージシャンらがそうであったように、僕も自分のやっていることについて深く考えさせられました。

音楽で世の中を元気づけようという風潮が広がる中、自分自身は「音楽では誰の命も救えない」ということの確信を強めていました。
目の前で苦しんでいる人を救うのはお金、食べ物、医療などの物質的な充足であり、音楽そのものは物質的充足を産むことはできません。
もし音楽が誰かの苦しみに作用できることがあるのなら、それは苦しみが癒えるまでの鎮痛剤であり、特効薬には成り得ないということです。

誰かを元気にしようとか、誰かを幸せにしようとか、自分が音楽をやりたいからやるための詭弁、言い訳が蔓延る世の中に辟易としていました。

その上で、じゃあ自分は何をするのか?何をしたいのか?と考えたときに、所詮何の技術も持たず深い志に生きることもできない僕は、やっぱり音楽ぐらいしかできないしやれないし、やらないしやる気が起きないな、と思いました。

それならばせめて、作るものには誠実にありたい、誠実に歌を作るってどういうことだろう?と、自分に問いかけながら作った歌が「隣」です。

この「隣」という歌が、この曲を聴いてくれたあなたの心のどこかに居られるなら幸いです。


◆◆◆

ボーマスについて。
不定期に参加したりしなかったりしてますが、音源を持って行って、それを目の前でお金を出して受け取ってくれる人がいるという喜びは、何物にも代えがたい即売会の楽しみです。

自分が作ったものが誰かに愛されるものであると、目の前で確認できる喜びは、即売会ならではのものだと思います。

また、友人らに会って最近どうよ?などと挨拶を交わし、お互いの作ったものを見せ合って楽しみを共有することや、まだ知らない、でも同じ趣味をもった人たちとその場で出会うことは、まさに『同人』のそれです。

「売り手」「買い手」ではなく「サークル参加」「一般参加」という考え方も僕は好きです。
同人の徒に客は無し。
みんな対等にその趣味、その場を愛する参加者。

実際ボカロを通して、年齢性別職業その他諸々、普通に生活していたら繋がりなんか絶対生まれなかったような人たちと、沢山出会うことができました。

その喜びをもっともっと広めて、シーンを盛り上げていければな、と思います。

◆◆◆

スペースには、台湾から来たという方や、中国は大連から来たという方、他にもどこからとは聞かなかったものの、片言の日本語で話しかけて頂いた方など、海外からも何人も訪れてくれました。

自分自身、海外経験も無く、日本語以外話せないし、日本語の歌しか書けないような人間が作った曲が、国や言葉を超えて届くって単純にすごいことだと思います。

生まれた場所の風土や言葉、文化、宗教やその他様々な価値観の違いは確固たるものとして存在しており、誰もが平等だとか音楽に国境は無いなどと綺麗事を言うつもりはありません。

だからこそ、その深い深い溝を超えられた瞬間に大きな喜びを感じられるし、その溝を飛び越える力を貸してくれるボカロには、本当に感謝の心でいっぱいです。

◆◆◆

とはいえ、僕も博愛主義者じゃないので、誰も彼もみんな仲間というのもなかなか難しく。

以前、ちょっとトラブルがあった相手が、今回直接挨拶というか謝罪に来てくれました。

僕はその場でこう伝えました。

「僕の音楽を嫌ったり、僕自身を嫌ったりするのは仕方がない。
 けどそれを本人が目にするような表立った場で言うなら、僕は不愉快だし、不愉快なりの対応はする。」

ただ、言葉として不十分だったなと今になって思います。

改めて文章にしようと自分の気持ちを振り返ってみると、整理できていなかった感情がまとまってくるもので。

本当に僕が憤りを感じたのは、まだよく知りもしない相手のことを、一方的に嫌ったり見下して、「出会い」の可能性を殺してしまうことだったんだと思います。

僕にとって、ボカロの最大の喜びは、「出会い」に尽きると思っています。

僕が初音ミクと出会ってから約8年、出会った人や物事、それらが与えてくれた楽しさ・喜びは、8年前までの人生のそれを大きく塗り替えるようなものだったと、大げさでもなんでもなく思っています。
その出会いの可能性を、極内々の一瞬の笑いのタネのために台無しにしてしまったことが、僕なりのボカロ愛とどうしても相容れなかったんだと思います。

その件についてはもう当事者間で決着してる話なので、今さら持ちだしてどうのというわけではないです。
自分の気持ちの整理のためにここにしたためておきます。

◆◆◆

シーンを盛り上げて、という話に関連して。

今回参加してみて、正直ピークに比べると人が減ったなあ、という印象は感じました。
スペース自体が半分で、人の混雑具合は8割程度、実質ピークの3~4割の人の入りという印象。
あくまで印象なので、定量的な話ではないですけど。

また、男性比率が以前よりも上がったように感じます。
女性が多く減ったということでしょうか。
女性はやはり流行に敏感≒飽きっぽいということでしょうか。
それが悪いといっているのではないので、あしからず。

(そもそもサークル少なけりゃ一般参加者も減るだろとか、参加サークルのラインナップ的に若い女性が多く集まるタイプのサークルが少なかったとか、そういう理由もあったとは思いますが)人が減った現状をみて、悲しいとか寂しいとか、ネガティブな気持ちにはやっぱりなってしまいますね。
やっぱりボカロシーンが好きなので、もっともっと盛り上がって欲しいと願う身としては、人が離れてしまうのは寂しいものです。

ただ、だからといって「『昔のように』盛り上げよう!」と、考えるのはちょっと違うかなと。

流行りがあれば廃りもあるのが世の常ですから、一度飽きられたものを前と同じように盛り上げようとするというのは、それこそ退屈を加速させてしまうように思います。
一度離れてしまった人はひとまず置いておいて、これからやってくる人にどうやって興味を持ってもらうか、どうやって今の面白さを紹介していけるか、どんな新しい面白さを創造していけるか、そういう風に考えていきたいものです。
具体的な策があるわけではないですが……。

自分は発想力豊かでも器用でもないので、自分が良い、面白いと思える音楽を作り続けていこうと思います。

写真はボーマス後にナンジャタウンで食べた餃子。



◆◆◆

11月は1日のドキ生除くとライブは一本でした。

11/29(日)新宿Marbleにてアシタカラー、オトノウラとスリーマン。
時間はお昼からで、お客様にパスタの振る舞いもあるという、なかなか珍しいイベントでした。
年内NO LEAF CLOVER最後のライブでしたが、沢山のお客様に集まっていただき感謝感謝です。

お昼ライブ、とても良いと思うのでもっと流行らないかなあ。

遠方の方なら、朝に来て夜に帰るというスケジュールも可能だし、門限のある方、中高生の方なんかも来やすいと思うし。
NO LEAF CLOVERのお客さん同士でライブ後に焼肉食べに行ってたらしく、そういう交流の時間なんかも取れるし。
演者的にも、ライブ終わって打ち上げでしこたま飲んで帰ってもまだ21時とかだったので、実に健全。

バンドマンもライブハウスも、決まったフォーマットにとらわれず色んなライブの形を提案していけたら、もっと音楽とかバンドとかライブとか楽しくなっていくはず。

そんな風に思いました。

ともかく、今回呼んでくれたアシタカラーありがとうございました!

写真は今回振る舞われたシーチキンクリームパスタです。


◆◆◆

本当はボーマス終わった直後ぐらいにブログ書き上げて投稿するつもりだったんですが、ちょっとずつ書いては消し書いては消ししてたら、結局月を跨いでしまいました。

「こんな慣れない長文書いて一銭の得にもならないのも何だし、Amazonの欲しいものリストでも貼っておくか」なんて先月ツイートしてたんですが、いざ欲しいものリスト編集してみても、全然欲しい物が思いつかないことに気づきました。

人より物欲が薄いし、欲しいものや必要なものがあればさっさと手に入れてしまうので、傍から見るとなんともプレゼントのしがいの無い奴だと思います。

自転車旅の必要なものは揃えなきゃいけないので、そっちは割りと思いつくんですが。

何か買ったら人生捗るものってありますかねえ。

とりあえず、貼っておくので、恵んでください!

■自転車旅用ほしい物リスト
http://www.amazon.co.jp/registry/wishlist/15VJPFBMRTT18/

■乞食リスト
http://www.amazon.co.jp/registry/wishlist/C11NSWDSG45P/

◆◆◆

さて、今後についてなんですが、一応先に申し上げたとおりNLC年内のライブは終了です。
が、またスタジオ生放送はやろうと思ってます。
今のところ予定としては12/26(土)の夜です。
具体的な時間は決まってませんが、よろしければぜひ見てやってくださいませ。

リリース関係では、12/16(水)リリースいかさんの2ndアルバム「誓燈のマルシェ」に書き下ろし楽曲「セナカ」が収録されます。
この曲についての話は皆様に届いてからまたできればしようかと。

[>>いかさん Official WebSite]
http://ikasan.jp/

ではでは!


2015年11月8日日曜日

10月は忙しかった話。

つらつらと近況報告を書き留めていこうかと思います。

◆◆◆

いやー、10月は目一杯忙しかった。
まず月頭に、大学進学の折に上京してきてから長年住み続けてきたアパートを引っ越すことにしまして、その準備やら片付けやらがとにかく終わらないこと終わらないこと。

なんとなく引っ越ししたいなあ、と考えて物件サイトなんか眺めてたら、23区内で、広くて、そこそこ安くて、防音室付きというなんとも美味しい物件を見つけてしまったもので、「思い立ったが吉日!」とノリと勢いで引っ越しを決めてしまったもんだから大変。
荷物はまとまらないし、各種手続きはめんどいしで、とにかく準備に一苦労でした。

もう引っ越しちゃったから言っても良いと思うんだけど、以前は都立家政に住んでました。
西武新宿線。
住んでた部屋、防音しっかりしてるし、大家さんはいい人だし離れづらかったんですが、まあ流石にいい歳して6畳1Kに住み続けるのは無理がありました。
楽器やら自転車の道具やらで足の踏み場もない状況だったし。

でも都立家政はホントいい街だったと思うよ!
飲食店が少ないのがマイナスポイントだけど、両隣の鷺ノ宮や野方よりも落ち着いた雰囲気だし、新宿までも出やすいし。
「西武線っていまいちじゃね?中央線沿線のほうがよくね?」って思う人、特に上京してくる学生さんに多そうだけど、利便性は大差ないし家賃とか考えると西武線おすすめ!

しかし、引っ越しもお金がかかって胃が痛くなりますねえ。
家具もかなり買い換えたせいで出費ががが。
ベッドも買い換えたんですが、前に使ってたベッドを引き払うときに動かしたら、持ち上げた途端金属の接合部が解けてバラバラになったのはびっくりしたね。
煮過ぎた角煮みたいにベッドが崩れてたね。
あんな危ないものの上で寝てたなんてびっくり。
ベッドはいいモノ買わないとダメですね。
睡眠は生活の基盤。

そうそう。
学生のときから同じ場所にずっと住んでた引っ越し初心者なもので、引っ越し業者を決めるのに「一斉見積もり」的なのに申し込んだんですが、これは全くの失敗でした。
申し込んだ途端に各社から営業の電話がかかってきて、鬱陶しいったらなかったです。
同じ所から何度も何度もかかってくるのには、とにかく辟易しました。
結局「一番営業がしつこくないところに決めよう」と思って選んだんですが、これは正解だったかもしれないです。
「ヴォイス引越センター」という業者にお願いしたんですが、安いしやり取りもスムーズ、引越し当日の際には「近くに手の空いた者がいたので」とのことで、急遽人員を増やしてくれる神対応で、なんの問題もなく引っ越しを終えることができました。
埼玉、神奈川、東京都で引っ越しの皆様、ヴォイス引越センターおすすめですよ!(ダイレクトマーケティング)

画像は都立家政の隣駅、野方の大好きなラーメン「花道」


◆◆◆

引っ越しが上旬にあったばかりで、11/12にはすぐにNO LEAF CLOVERでのライブもありました。
piecepodとの2マン。
イベントタイトル「ノリピー!」。
悪意はないよ!

piecepodには、いつも主催イベントに呼んでもらってて「いつか2マンやりましょう」と常々話していたので、漸く実現できてうれしかった!
ファンタジックで物語の奥行きを感じさせる楽曲と、楽曲の持つメッセージ、イメージを真摯に伝えようとする演奏と、それとは対象的に男子高生のじゃれ合いのようなMCが彼らのライブの魅力だと思います。
11/28(土)にはワンマンもあるので、ぜひ皆様足を運んでくださいな。

で、そのpiecepodとの2マンなんですが、新曲もやったりお互いの曲のカバーもやったりして練習することが沢山で大変だったんですが、最後にお互いのメンバー全員交えて、一曲カバー曲もやりました。

なぜかTOKIOのLove You Only。

みんなが知ってる曲、自分たちが好きな曲、ということで選曲を考えていたんですが、メンバー7人もいたらそれぞれ趣味も違うし、まったく噛みあう曲っていうのは選ぶのが難しかったんですが、そこはジャニーズ、90年代ポップスの偉大さですね。

改めて楽曲を練習してみて、歌詞やメロディーの完成度に感心してました。
「君が熱い恋をするなら世界で僕しかいない」
なんて、あんな美男子たちに歌われたら、そりゃ恋に落ちますわー!と。

普段自分たちで曲を作って、自分たちの曲を演奏していると、「どうしたらこの曲はうまく伝わるかな」「どうしたらもっと楽しんでもらえるかな」とある意味悩みながら苦しみながら演奏している部分も多くあります。
そういった時に、こうやって「好きな曲を好きな連中と好きに演奏する」ということをやると、そういう悩み以前の、原初的な音楽の楽しさを思い出すことができたような気がします。

piecepodありがとう&これからもよろしく。


◆◆◆

で、月末には更にライブが。

10/30・31に札幌で弾き語りのライブをしてきました。

「Sapporo MUSIC Innovation 2015 Halloween」というイベントで、札幌のアカシックレコーズ/愛宕音楽院さんというレコード会社/音楽学校様にお呼ばれしまして、行ってきた次第です。

そもそもどういう流れでそうなったんですか?という話なんですが、僕、8月に自転車で旅しながら各地で路上ライブやるというのを一昨年からやっておりまして、今年2015年は東京から札幌まで行ってきました。
で、札幌で歌った際、そこでアカシックレコーズのNaNa☆さんというシンガーの方が見に来てくださって、そこからご紹介くださった繋がりで今回札幌でまた歌わせてもらうことになりました。

実は飛行機というものに乗ったことがほとんど無くて、今回人生2度目の飛行機でした(前回はマニラでのライブのとき)。

羽田から慣れない手続きを済ませて機内に乗り込んで、いざ離陸したと思ったら、もう一瞬で新千歳。
ちょっと居眠りしてる間にあっという間でした。
「自転車で3週間かかった道のりが1時間半か……」と現代文明の力に感動しました。

まず30日はお昼に札幌につき、まず札幌ファクトリーでNaNa☆ちゃんのバーター(?)で歌わせていただいて、その後すぐに狸小路へ行き新メッセホールで歌いホテルへ。
翌日は、夕方ごろにメッセホールで歌いその足で急ぎ最終の飛行機で東京に帰るという強行スケジュールでした。
そのせいでせっかく札幌まで行ったのに美味しいものがあんまり食べられなくて残念!
ラーメン3杯しか食べられなかった!

今回は喜来登、らーめん信玄南6条店、新千歳空港の一幻行きました。
あと回転寿司食べたり、ファクトリーで肉まん買い食いしたり……。

あ、やっぱいろいろ食べてたかも!

「Twitter見てるだけだと食い倒れ旅行にしか見えない。本当にライブしてきたのか怪しい。」って帰ったらうちのギターの稲井に言われたよ!

いやー、でも北海道何食べても美味しいからね。
新千歳空港のラーメン街だけでも2日は楽しめそうなレベル。
また行きたいなあ……。

あ、食べ物の話ばっかりじゃなくて。
ライブの話。

そんな強行スケジュールなもので、リハーサルの時間もほとんど無いまま、Nana☆ちゃんとのセッションや、学生さんとのバンド演奏があって、割りと現地につくまで不安だったんですが、そこは流石専門学校生。
バンド演奏事前にばっちり合わせてきててくれたし、短い時間でのコーラスの打ち合わせでも「ここはこういう風に」というオーダーをばっちり合わせてくれて、真面目で偉いなあと素直に感心しました。
演奏だけじゃなくて、身の回りのこともすごく良くしていただいたり、礼儀も皆さん本当にしっかりしてて、僕が学生の頃なんかもっとちゃらんぽらんだったのに、偉いなあ、ちゃんと学校の指導も行き届いてるんだな、と。

で、当日はギターでの弾き語りで何曲か歌わせてもらいました。
そんなわけで学生さんが多いので、多少なりとも長生きしてる先輩として、何が伝えられるかなとか、(学校のイベントだから)何を教えられるのかな、ということを自分なりに考えて歌わせてもらいました。
それをまたここで言葉にするのも野暮なので、そこにいた彼らに何かしら届いていることを祈っています。

写真は喜来登。すげー美味しかった。


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10/30・31と札幌で歌ってきた翌日は東京でNO LEAF CLOVERライブ。
まるで売れっ子みたいなスケジュールだー!
勝手に自分で組んだだけだけど!

11/1は「ドキ生R」というライブに出演してきました。
ボカロPによる生演奏を謳ったライブ・イベントで、2009年から不定期に開催しており、僕らはその第3回(2010年1月)から出演させてもらってます。

今でこそボカロ曲を演奏するライブというものが、当然のように巷に溢れていますが、ドキ生の始まった2009年ごろはまだまだそういうものも珍しかったように記憶しています。

当時はネットとリアルを切り分ける風潮があり、顔出ししている人もほとんどおらず、ボカロというネットの存在とライブというリアルの存在はかなり切り離されたものでした。
歌い手ライブというものはすでに広がりを見せていたのですが、まだそれも今ほど受け入れられてはおらず、今以上に「歌い手(笑)がライブ(笑)」という、嘲笑に近い認識が強かった時代です。
さらに、ボカロPを実演家としてフィーチャーするという考えも薄く、あくまでボカロPは"初音ミク"の裏方であり、乱暴に言えば「裏方が表に出てくるな、調子にのるな」という風潮さえあったように思います。

そんな状況の中、当時からバンド活動とボカロP活動を並行して行っていた僕としては、バンドとボカロ、リアルとネットの距離の取り方について考えあぐねていた時期でもあります。

その折、NO LEAF CLOVERとしてこのドキ生というイベントに誘っていただき、ボカロPのライブということのイメージも上手く湧かないまま、出演させていただいたのが第3回でした。

そのときステージに立って、あるいは客席から共演者のステージを見て、本当に心から楽しんでいるお客さんを見て、ああ表方だとか裏方だとかネットだとかリアルだとか距離の取り方だとか、そういうチンケな考えなんか要らないじゃないか、楽しい物を楽しむことに垣根を作ってどうするんだ、とまさに目の覚めるような思いでした。

当時はボカロPをやりながらバンドをやっていると、「バンドの売名のためにあいつはボカロをやっている。ボカロに愛なんか無い。」と揶揄されたこともあります。

でも僕にとって、バンドをやることもボカロPをやることも「楽しいから」という一つの理由に基づいています。

他人から見てどう思われるかはわかりませんが、ボカロ曲を作って投稿して楽しいと思う気持ち、ボカロを通していろんな人や物事と出会うことを楽しく、喜ばしいと思う気持ちは、僕にとっての僕なりのボカロ愛だと思っています。
他人からどう揶揄されようと、この楽しいものを楽しむ気持ちに垣根なんかない、と強く確信できたのは、「ドキ生」というイベントがあったおかげです。

そういう楽しむこと、感じること、伝わること、伝えることに垣根なんか要らないだろ、という気持ちで書いた「HERE」という歌を、2015年ドキ生Rの最後の1曲として歌えて、本当に嬉しく思えたイベントでした。

ボカロシーンはすでに衰退したというような風潮もありますが、そんなことはお構いなしに、ずっとずっと続いていって欲しいイベントです。


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さてそんなライブ続きの中、実はボカロのアルバムも作ってました。

KEI 6th VOCALOID ALBUM

「TOY」

■クロスフェードデモ動画
・ニコニコ
http://nico.ms/sm27535874
・YouTube
https://youtu.be/Ot7T5BRLBz0

ということで、2013年ぶり、自主制作では2012年ぶりにアルバム作りました。
今までコンピとかに入れてた曲を整理して、リミックス&リマスタリングした一枚です。
よほどのハヤシケイマニアだったら全曲聞き覚えはあるかもしれないですが、音はかなり変わってると思うので、曲を知ってる人も知らない人も、お手にとって聴いていただけると嬉しいです。

今回はジャケット等のデザインもほぼ自分ですべて行いました。
もっとデザインの専門家にお願いしたほうがいいモノはできるかもしれないし、音周りに関してももっと上手な人に頼んだほうがクオリティは上がるかもしれないです。
が、今回の音源に関してはそれ以上に「自分でやる」ということを大事にしたいと思った結果です。
自分のペース、自分の考え、自分の好み、そういうものを最大限反映した「自分のモノ」を作りたいという気持ちで今回取り組みました。

あるいはこれを手にとって聴いてくれた人が、あのハヤシケイって奴、不器用なりにも一人でこれだけのことはやれるんだな、だったら俺にも何かできるかもな、って思って、何か新しいことを始める一個の理由になってくれたら、という気持ちもあります。
おこがましい考えかもしれませんが。

初頒布は11/14(土)開催のボーマス33で行います。

THE VOC@LOiD M@STER(ボーマス)33
会場/ 池袋サンシャインシティ文化会館2階 展示ホールD
配置/ ア04
サークル名/ HOMING ECHO

にてお待ちしてます!

[>>THE VOC@LOiD M@STER ウェブサイト]
http://ketto.com/tvm/


あ、ちなみに通販もすでに準備してます。
Amazonの方で取り扱ってますので、ボーマス来られない方はぜひ通販もご利用ください。

[>>「TOY」通販ページ]
http://goo.gl/0eEKWK


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11月の予定としてはもう一件。
11/29(日) NO LEAF CLOVERライブ@新宿Marbleが決まってます。
この日はお昼のライブ。

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■11/29(日) NO LEAF CLOVERライブ(daytime)@新宿Marble
アシタカラー×Marble共同企画
「お昼カラーMENくらったスリーマン」
開場/開演 11:30/12:00
前売/当日 2,000/2,500yen (ドリンク代別)
出演/ アシタカラー / オトノウラ / NO LEAF CLOVER

お昼の時間のライブです。
当日はアシタカラーの曲名にちなんで
アシタカラー奥田よういち特製パスタを
スタートまでにお越しの先着30名様に振る舞います!

詳細・チケットご予約は下記ページからどうぞ
[>>NO LEAF CLOVER Live Information]
http://nlc.nobody.jp/pc/index.html#live

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という感じで、アシタカラー主催のスリーマン企画。
なんとパスタの振る舞いもあるという美味しいイベント。
ていうか出演者の分はあるのかな……僕も食べたいんですが……。
お昼のライブということで、ライブ見た後に新宿で遊んで帰るとか、遠方の人は朝東京に来て夜帰るなんてのも可能だし、これは来るしかないですね!!

というわけでお待ちしてます。
どうぞよろしく。


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中身のあるような無いような話ばかりになってしまいましたが、たまに気が向いたらこうやって書いていければ。
リアルタイムの近況はTwitterの方でよろしくです。

twitterID: homing_echo

ではでは。